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WACATEについて

 現在WACATE2012夏というソフトウェアテストに関する合宿勉強会の準備を進めていて、もうすぐ募集を開始する予定です。


若手エンジニア向けワークショップ:WACATE (ソフトウェアテストワークショップ)


 WACATEは三浦海岸にて一泊二日を使ってソフトウェアテストについて学ぶ合宿勉強会です。2008年より半年に一回開催されてきました。
 ブログでは少ししか触れられていませんでしたが、このWACATEには、自分は参加者として3回、実行委員として3回参加させていただいています。実行委員の立場ではテスト設計やテスト設計技法、バグ管理などをテーマとしたワークショップセッションや講義を担当させて頂きました。丁度良いタイミングなので、今回は紹介がてらWACATEの楽しみ方について簡単にまとめたいと思います。

 なお留意点ですが、以降の文章では興味を持っている人達向けということで、参加者の視点で長所・短所を区別せずあるがままに書いていこうと思います。短所や問題については、今の実行委員の立場では改善対象であり捉え方も変わるものですが、そうした視点は書いている間隅に置いておきます。

前置き:WACATEの特徴

対話やコミュニケーションの学習効果

 以前日科技連のQuality Oneで書かせて頂いた記事(http://www.juse-sqip.jp/vol12/qualityone_02.html)と大分被りますが、WACATEでは対話やコミュニケーションが学習効果や楽しさを支えています。
 例えば課題や講義の内容は(例外も多いですが)基本的に入門者でも参加できる平易なレベルになっています。またそもそも講義の場もそんなに多くありません。例えば講義はほどほどにして、時間のほとんどをワークショップ作業に費やすセッションがしばしば行われています。課題に必要な知識や手法は、そこでは参加者が班単位で経験や知識を出し合って作りだしていくことになります。
 ただそうした一方で、セッション内外では参加者・実行委員・講師間で様々な知見や情報が飛び交っています。例えば応用知識や、技現場で実践する際の工夫、反論・疑問、その他情報源などといったものです。そうした情報共有や議論、対話は、ワークショップの学習効果を補強しており、結果的にWACATEで得られるものを大きく担保していると実感しています。
 実行委員側も対話やグループワーク、コミュニケーションにより生み出されるその補強効果を意識していて、二日間にそれらを促進する仕組みをいろいろと用意しています。例えばグループワークが原則のワークショップ、参加者・講師・実行委員入り乱れて語り合うことを目的としたセッション、宴会、温泉、複数人の相部屋による宿泊等などです。

さまざまな立場で学ぶ

 またこちらも先ほどのQuality Oneで被りますが、WACATEは実行委員・参加者区別なく、勉強したい・活動したいという主体性を持つ人達の集まりのような雰囲気を持っています。
 例えば参加者はベテランから若手まで様々ですが、それぞれ年配者の方はメンタリングを、熟練者の方は議論や情報交換を、若手の方は実践的な勉強を、と様々な楽しみ方をしています。実行委員にしても一種のボランティアみたいなもので、運営や様々な折衝、セッション講師などの経験を積んだり、業界に貢献したりすることを目的に、無償で準備や運営を進めています。言ってしまえば、WACATEはいろいろな人たちの学習意欲や活動意欲を納める器のようなものと感じています。

WACATEとの付き合い方について

 そうした特徴があるので、素でも楽しめはしますが、以下に留意しておくとより楽しめるんじゃないかと個人的に感じています。なおもちろん満たさなくても大丈夫です。こういう楽しみ方もあるよというレベルです。

複数回参加してみる

 複数回参加したり、あるいは実行委員として見回ったりしていると、WACATEでの過ごし方は色々あることを実感させられます。
 例えばWACATEでは5、6人で構成されるグループで二日間を過ごします。そのグループにしても、笑いの絶えない班、静かに効率的に作業する班、激しい議論を行う班など色々な特徴があります。またグループの構成によっても立ち位置が変化します。例えばメンバーが初心者中心であれば技術的なリーダーシップをとる、スペシャリストがいればその人から知見を引き出す聞き手になる といった感じです。
 なのでWACATEを知りたい・楽しみたいという方は、複数回参加してみるといいかもしれません。前述の通りWACATEでは対話や議論、グループワークによる学習効果が侮れないため、異なるメンバー・異なるグループで学習を進めることで、違った雰囲気を楽しめますし、学びや気づきも多種多様であることを実感できます。
 また複数回参加していると知り合いも増えてくるので、議論や情報共有もより活発にできるというメリットもあります。

主体的に勉強する。積極的に勉強機会を確保する。

 前述の通り、WACATEのメインはワークショップであり、扱う講義や課題は入門者でも扱えるような設定がされています。受け身だけでも学べる講義や指導の割合はそんなに大きくありません。
 それに対して、交流や主体的な勉強・実践で学べることが多いほか、高い実力や実績も持つ参加者や講師と議論したり会話したりする機会もあります。深堀すればするほど、学べるものが深まる感じです。
 なので勉強したい内容を見つけて、議論・実践を積極的に行ってみても良いと感じます。またワークショップにしても、単に課題を解くだけでなくそこで学べるものを最大化するように過ごすと、それに応じてより深い知識や経験に触れられるようになります(参加者時代は、課題の忙しさからそれができていなかったのを毎回のように反省してました)。
 逆に主体的に勉強したい・活動したいという心構えがないと、WACATEの効果が目減りしてしまうかもしれません。一応、初心者・初参加者を引き上げる仕組みはありますし、素でも学べるものは多いです。が、参加費2万ちょっとで、一泊二日、また少し都心から離れている(最近は三浦海岸で開催しています)等の制約からWACATEは参加がそれなりに大変なので、結構勿体ないと個人的に感じます。

技術的に尖って議論をふっかける

 議論や情報共有での学習効果が最大になるのは、個性豊かな技術力を持つ人たちがそれぞれ教えあい・学びあうスタイルだと思っています。WACATEも同じで、自分の知識や経験を出しつつ、他の人たちから知識や情報を得ていくことで、用意された講義や課題を越えるものを得られるようになると感じています(特にWACATEはそうしたものを促進する仕組みを用意しているのでなおさらです)。なのでなにかしら強みや意見をもっておいて、ワークショップでぶつけるとりより楽しめるかもしれません。
 なお強みや意見を持つ方法として有効なのが、セッションごとの予習課題です。予習課題は一般的に書籍で、1セッションあたり数冊、2日間合わせて多い時は10冊程度の書籍が予習として提示されます。結構大変ですが、こなすことで議論の基礎が身に付きます。例えばWACATEでは分科会という自由にグループを作ってディスカッションするセッションがありますが、そこでも支障なくいろいろな議題に踏み込んでいけると思います。

さいごに

 WACATEのワークショップの内容は、「JaSST'12 TokyoのTDDセッションとWACATEセッションに登壇 - 千里霧中」でふれているようなものです。あと次回は5、6月ごろから募集開始予定です。詳細は公式サイト(http://wacate.jp/)で掲載する予定ですので、テストに興味ある方は是非参加頂ければと思います。