テストの品質モデルについて発表

 先日、JaSST13'東海のポスターセッションにて、「テストの品質モデル構築の取り組み」と題した発表をさせて頂きました。


 内容は、まず前提として、テスト環境・テストスクリプト・テストデータといった、テスト実装・テスト環境構築の成果物の総称を指す言葉として「テストシステム」という用語を定義しています。そしてそのテストシステムの品質モデルを、ISO/IEC25010ベースで作成したものが主なコンテンツとなっています。


 背景ですが、現在では同じテスト環境が、プログラミング中・テスト工程・リリース作業等々、開発ライフサイクルを横断して活用されるのが(特にテスト自動化で顕著ですが)ありふれた姿となっています。
 また特に自動テストについては、プロジェクトを超え、資産としてブランチや派生プロジェクトにも引き継がれるようになっています。そこでは例えば自動テストがTests as DocumentationやSpecification by exampleの実現手段として使われたり、仕様化テストやCover&Modifyの起点として活用されたりします。
 なお、このように様々なステークホルダが様々な用途でテストを使うならば、テストの構築も書捨て・使い捨てでなく、求められる品質をきちんと特定して実現する必要性が出てきます。
例えばテストを継続的に活用するなら、保守性を高めないとテストの保守コストが悪化して身動きがとれなくなります。またプログラミングで構築したテストをそれなりに厳格な品質保証でも活用するなら、きちんとしたテストアーキテクチャの確保を行わないと、テスト設計の整合性維持や流用が困難になります。
 今回の発表は、そういったテストに求められる品質の特定・確保をどうすればうまくこなせるか、という検討の活動の一環となっています。まだまだ要検討ですが、品質モデルは、そこで使えそうなツールの1つになれば、と思っています。