黒背景のプレゼン資料では色盲の方に配慮する

 開発系の勉強会では黒背景のプレゼン資料を作成する方が少なくありません。自分も、暗い部屋で見やすい・発色をより鮮やかに感じるといった理由で、2年ぐらい前から黒背景でプレゼン資料を作ることが増えてきました。またプレゼンの印象を良くするアドバイスとして白黒反転が推奨されているのもちらほら見かけます(例えばhttp://blogs.itmedia.co.jp/kenjiro/2009/03/post-09e7.html)。


 ただ過去の講演の事前レビューで @t-wada さんからアドバイスされたことなのですが、黒背景では、一定数いる色盲の方が見にくい配色が一部あるそうです。
 例えば一番多い例として赤緑色盲がそうです。赤緑色盲は日本人男性の5%、白人男性の8%の割合で存在しており、程度にばらつきがあるものの以下のような特性を持っています。

  • 赤成分・緑成分の判別がしにくい
  • 赤成分や緑成分が暗く見える

 具体的には、赤緑色盲では黒背景での赤文字・緑文字が判別できなかったり見えにくかったりするそうです。また赤成分、緑成分の見方も変わるため、純粋な赤色・緑色だけでなく、その成分が含まれる他の色の認識も違っている可能性があります。


 5%というのは結構高い割合で、数十人や数百人を相手にプレゼンするならば聴衆に含まれる可能性も否定できません。またプレゼン資料は、PDFやslideshare等、配色の切り替えに手間のかかる形式で公開される形が多くなっています。そのため黒背景でプレゼン資料を作成する際は、不便な方がでないように、最初から以下の点に気をつけた方が無難だと思います。

  • 黒背景の上に濃い赤色・緑色、暗い赤色・緑色の線や文字を使わない

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  • 境界や線では、明度が違う配色を心がける。逆に明度が同じぐらいで色差が違う2色を使って線や境界を描くのを避ける

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  • 色情報が失われても情報が伝わるデザインを心掛ける

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  • 線や文字は太く。多少輪郭が崩れても判別できるようにする(ただし太すぎて字がつぶれてしまうのは避ける)

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 なおこうした配慮が必要となるのは、当然ながらプレゼン資料や黒背景の資料だけに限りません。例えば白背景でも違った配慮が必要になります。そうした他の心がけについては、内容のまとまった素晴らしいサイトが既に左記にあり、色々と参考になります(�F�ӂ̐l�ɂ��킩���o���A�t���[�v���[���e�[�V�����@)。