TPI NEXTについて、日本語化を期に実践し始めているのと、現在TPI NEXT入門ワークショップを作っている背景から、最近、知識確認としてその資格試験であるファンデーション試験を受験した。
この試験、日本語で情報がほとんどなかったので今回参考までにまとめたい。
難易度
問題は以下で公開されているシラバスとサンプルに沿った内容だった。
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試験の内容は選択式の知識確認問題で、かなり易しいと感じた。指標としては例えばJSTQBのFLよりも更に易しいと思う。今回、日々の実践や講演資料作りでTPI NEXT本を読んでいた以外に、特に対策せず受験したが、解けない問題はなかった。前述のシラバス通りに対応すれば合格できると思う。
注意点
ただ注意点として、日本語表現にかなり問題があった。
問題の文章は、英語を直訳してそのまま載せたレベルで、「てにをは」のような日本語文法が破綻したものが複数あったと思う。元の英文を想像しないと理解が難しい問題があった。
またTPI Nextの日本語書籍と翻訳が統一されていない。用語の不統一で気になったもののうち、覚えているものを幾つかピックアップする。
- 「キーエリア達成のコツ」は試験問題では「イネーブラ」と記述
- 「目指すべき状況」は試験問題では「対象の状態」と記述
- 「テスト業務の専門性」は試験問題では「テストの専門職」と記述
- 「メトリクス」は試験問題では「測定基準」と記述
用語も、基本的に直訳調だった。元の英語の単語をイメージしないと混乱しがちだと感じるものがあった。
あと、書籍の記述の暗記を要求する、丸暗記系の問題が少しあったのもの気になった。問題の公開はできないようなので内容を簡略化して書くが、例えば「『対象の状態をマトリクスで表現する方法はどれか?』『選択肢:セルの背景色を変える、識別用の文字を書く、・・・』」といった問題があった(個人的に表現方法は何でも良いと思っているし、TPI NEXTでも強制は行っていないように見える。書籍でもフォントの色で区別しているものがある。そのため本質的にはどれでも良いような気がする。ただ原著では背景色で区別した図を載せているので、「背景色を変える」を正解としているのだと思う)。
さいごに
この資格は、TPI NEXTの基礎知識のチェックとしては有望かもしれない。
しかし日本語表現に問題が多い印象を持った。日本語書籍の方は、技術的なニュアンスも含めてかなり洗練された翻訳を行っているので、そのうち書籍から本試験に翻訳是正のフィードバックがかかりそうな気がする。そのため受験は様子を見て行ったほうがよいかもしれない。