ソフトウェアテスト技術文書の英語読み書き・付け焼き刃勉強法

Calendar for ソフトウェアテストの小ネ | Advent Calendar 2021 - Qiita」の記事です。

今回は、ソフトウェアテストの英語技術文書のリーディング・ライティングを最低限できるようにするための、手っ取り早い付け焼き刃勉強法に触れます。
先の前置きとして、この方法は英語勉強法として十分ではありません(ドメインやサービス固有の文章、組織固有の文章は対応できません)。ただ、純粋なソフトウェアテスト技術についての文章ならば、片言レベルのリーディング・ライティングに手っ取り早く対応できるようになると思います。

手っ取り早いソフトウェアテスト技術文書の英語リーディング勉強法

ISTQBのシラバスJSTQBシラバスを使用します。

JSTQBのシラバス
ISTQBのシラバス

その中で、英語版と日本語版両方が発行されている区分を使用します。基礎的な用語・文書をカバーしたい場合は、シラバスのうち以下の3つを対象とするのが良いと思います。

  • Foundation Level
  • Advanced Level Test Analyst
  • Advanced Level Test Manager

また余裕があるならば、以下も対象にすると、扱える文章が広がります。

  • Foundation Level Agile Tester
  • Test Automation Engineer

勉強法ですが、英語のISTQBシラバスをスラスラ読めるようになるまで、日・英のシラバスを併読します。
わからない用語が出てきたら、逐次辞書などで調べるのは少なめに、日本語シラバスから意味を掴んで、勉強のスピードとテンポを維持します。
結構量がありますが、英語シラバスの文書は簡潔で、限られた用語や表現が繰り返し頻出する内容となっているため、進展するほど勉強スピードが高まります。量ほど大変ではありません。

この勉強法でISTQBシラバスを難なく読めるようになったら、ドメインやプロダクト・組織固有の文書を除く、純粋なソフトウェアテストについての技術文章は、おおよそ意味がつかめるようになっていると思います。

注意として、日本語シラバスには誤訳の可能性があるのに考慮が必要です。また改定で内容が結構変わるので、併読の際は日英シラバスでバージョンを一致させる必要があります(バージョンは日本語シラバスの改訂履歴で照合できます)。

手っ取り早いソフトウェアテスト技術文書の英語ライティング対応法

ライティングについては、勉強法ではなく、付け焼き刃対応法です。
こちらもISTQBのシラバスJSTQBシラバスを使います。

やり方ですが、まず前述のリーディング勉強法で、英語のシラバスをスラスラ読めるようになるまで勉強します。
すると、シラバスのどこに何が書かれているかが、ある程度イメージできるようになります。

その上で、ライティングでは次のような手順で対応します。

  1. ライティングしたい元の日本語に似た文章を、想起してJSTQBの日本語シラバスからピックアップします。
  2. 日本語シラバスの該当箇所に対応する英語文章を英語シラバスからピックアップします
  3. 英語シラバスの該当文章を参考に、英語文章をライティングします(コピペすると引用になり著作権等の制約が発生するため、あくまで参考にして英語文章を作ります)

例えばテスト目的についての文章を英訳したい→JSTQBのFLシラバスにテスト目的の解説があるのを思い出す→そこに対応するISTQBシラバスの文書を参考にする、といった流れで対応します。

この方法により、シラバスで書かれている文章限定ですが、ネイティブの文章を参考にライティングできるようになります。

欠点

  • ドメインやプロダクト固有の英語には対応できません。ソフトウェアテストの文書にとって、ドメインやプロダクト固有の文章は不可欠であり、内容の大部分を占めると思います。その部分は別で補う必要があります。
  • ISTQB/JSTQBシラバスは一人称・二人称を徹底的に廃した文章ですので、それに従ってライティングを行うと「仕様書みたいな文章」と言われます。