テストの上流設計でのテストの全体像を分析する手段の一つに、テストタイプの抽出・整理があります。
このテストタイプの分析の助けになるモデリングツールにGSN (Goal Structuring Notation)があります。GSNは、ゴール、戦略、証跡を主な構成要素として、ゴールをどのように達成するかをツリー構造でモデリングする記法です。
Goal Structuring Notation Community Standard
一つの手段ですが、テストタイプの分析にあたっては、ゴールにテストの目的・目標を、証跡にテストタイプを描くようにカスタマイズすることで、GSNをテストタイプ分析ツールとして活用できるようになります。
なおこの活用方法は結構前から存在します。運営に関わらさせていただいているテスト設計コンテストで度々見かける方法であるほか、D-Caseを取り入れた最新のHAYST法でも似た活用方法が見受けられます。
GSNを使ったテストタイプ分析の例ですが、例えば以下のようなモデルになります。
GSNによるテストタイプ分析に都合が良い点として、以下があります:
- ツリー構造によりテストアーキテクチャレベルでの関心事の分離を実現できます。これにより大規模なテストも分析しやすくなります。
- 「戦略」ノードにより、テストタイプ分析にあたって必要な分析や計画が明示化されます。例えば組織に基づいた戦略ノードが出た場合は、組織設計が必要なことがわかりますし、品質特性に基づいた戦略ノードが出た場合は、対象プロダクトが具体的にどのような品質特性で表現すべきかの観点分析が必要なことがわかります。